桜麗華ーおうれいかー 天界に伝わる華 短編小説

桜麗華―おうれいかー

―天界に伝わる伝説の華― 作:P.N.青空柚樹

俺は清鈴陸(せいりんむ)この国では、最下層、農民の家に生まれた嫡男で、上には姉下には妹がいる。俺は普段川渡しの船頭として収入源を確保している。正直、農家の多いこの辺では、野菜などの採れたて販売などでは到底収入が確保できない。みな同じようなものを作るからだ。だから、俺は川渡しの船頭をしている。親父が農作物を作っているという安心感からも仕事ができうる要因かもしれない。それから、忘れて困るのが、うちの姉と妹だ。姉は来月の半ば、妹は来月後半~再来月の頭で2人とも結婚することが決まった
。姉の旦那が、農業を継ぐらしい。俺はいつも通り船頭をしたまま収入を稼ぐ。で、大方皆納得して、了承を得た。妹も嫁ぐのでなく婿取りだという。理由を聞くと、俺が心配だからだという。俺は心配されなくても大丈夫だといったのだが、心配だと聞かず、残ると言い出したまま意思を変えなかった。こういうところは親父似で頑固なんだよなとあらためて思う。俺は船頭仲間にこの話をした。すると1人がこう言った。
 「こりゃ、めでてーな。兄ちゃんだし弟なんだから、祝いに花でも送ったらどうだ。そうさな、幸福を呼び寄せる《幸福の華》天界の入り口あたりに咲いている、桜のような香りのする、桜麗華なんかはどうだろうね。いいんじゃないか?」といった。そうだよな。花くらい送っても罰は当たらんか。と思った俺は、早速次の休みに行くことにした。天界の入り口は奏宝山(そうほうざん)という山の中腹にあるという。標高9998mという高い山の中腹にある天界の入り口を探して、歩き続け、ようやく見つけられたと思いそこらへんで桜麗華を探していると、『おい』と声をかけられた。振り向くと、オオカミの耳をはやした人間が立っていた。俺は驚いて気を失ってしまった。気が付くと、俺は雲の上にいた。正確に言うと、雲の上を馬みたいなのに乗って飛んでいる。後ろにはオオカミ人間。はっきり言って先程の10数倍怖い。そんな中、馬らしきその動物はスイーっと進んでいき、やがて城らしき建物に到着した。
『耀咲玲(ようしょうれい)様、珀瀏満(はくりゃんま)様、烙竛燐(らくれいりん)様ただいま帰りました。侵入しようとしていた者を捕らえましたので、お連れしました。』
『ご苦労であった。もう下がってよいぞ』
『は。かしこまりました。失礼致します。』
 『で?お前は何故天界の入り口におったのだ?理由次第では返すわけにもいかなくなるぞ?』
 「姉と妹が来月結婚するのです。祝いに、幸福の華―桜麗華―を摘んでプレゼントしようと思いまして、申し訳ございません。」俺は深々と頭を下げた。すると、どこからか女の子の声が聞こえてきた。
 『お母様。その辺で許してやってくださいな。この方のお姉さま妹様の結婚は本当ですわ。桜麗華はこの時期まだ咲きませんが、もうしばらく致しますと、きれいに満開になります。来月には間に合うと存じます。ですから、しばらくはこちらにいらしてください。』
俺はその言葉を聞いて、わかりました。っと了承した。その夜、夕飯を終えた俺が客室に向かっていると、不意に声をかけられた。
 『やあ。僕は珀瀏満…りゃんまでいいよ。今日、咲玲がかばったという男性はどんな人かと思ったら、優しそうな好青年じゃないか
。これなら、お父さんも反対しないよ…ね、咲玲。』
 『お父様ったら意地の悪い。お母様より意地悪ですわ。あ、鈴陸様。これ、お着替えですの。良ければお使いになって。あと、お風呂場は、客間から左に出て突き当り右ですわ
。ゆっくりしてらしてね。』俺はありがとうと礼を言うと、お風呂場に向かった。着替えを済まして出てくると、廊下で女の人と会った
。それは、先程怒っていた女の人だった。
 『あら、先程はごめんなさいね。私は烙竛燐…れいりんでいいわ。あなたよく見ると男前ね。咲玲が惚れるのも無理ないわ。あなたのところにお嫁に行かせるわね(オホホ)』と笑いながら、竛燐は去っていった。俺は「?
」と思いながらも、先程のお嫁に行かせるの言葉が頭から離れなくなっていた。
 数日後、咲玲の言った通り、きれいに満開になった桜麗華をもって、地上へ降りた。結婚式…翌日に姉の式が決まっていた日取りのその前日だった。遅くなってごめんと謝ると姉も妹も「お帰り」と笑顔で迎えてくれた。姉におめでとうと桜麗華を手渡すとありがとう幸せになるわねと返事が返ってきた。俺は摘んできてよかったと心から思った。翌々日の妹の式でも手渡すと嬉しそうに微笑んで幸せになるねと言った。2人の式を見ていると
、この間のオオカミ人間が後ろに立っていた
。俺はびっくりして仰け反るとオオカミ人間は『咲玲様をお送りしたにすぎん。そんなに驚かなくても大丈夫だ。とって食いはしない
。』ととって食いはしないって冗談に聞こえないんだけど…。と思いながらも、ゆっくり言葉を反芻してみた。俺は?と思い「てことは咲玲きているのか?」と聞いた。するとオオカミ人間は『居るのかも何も、お前の横にいるではないか先程から。』と言った。するとさっきまで何も言ってなかった咲玲が『しゃべらないで下さいとお願いしたのに皇牙ってば喋ってしまうんですもの。』ここで俺はやっとオオカミ人間の名前を知った。「お前皇牙(おうが)っていうんだな。」と言った。そうすると皇牙は『そうかお前さんには自己紹介していなかったな。』とうんうんと頷いていた。いや、そうじゃなくてね…と思ったが、奏も言えず、まぁいいかと思った。そして俺は1番聞きたかったことを咲玲に問うた。
 「どうしてこっちに降りてきたんだ?咲玲はこっちに用でもあったのか?」咲玲はオレの言葉に首をフルフルと横に振りこう答えた

 『私はお母様とお父様が良いって言ってたから、こちらに鈴陸のところにお嫁に来たのこれからはこちらで暮らすわ。』そう言って咲玲は皆さま(姉と妹と母と親父)に挨拶すると言って走っていった。俺は、本当に嫁に来たことに驚いて皇牙に「本当か」と問うた。うむうむと頷いている皇牙に本当なんだと思うしかなかった。
 それから数日して、俺は本当に咲玲と結婚した。結婚式は決して華やかなものではなかったが、咲玲はそれでも嬉しい嬉しいとくるくる回って喜んでいた。俺と咲玲は結婚式のあと、実家から離れ2人で暮らし始めた。咲玲は家事全般が得意らしく料理も毎日作ってくれた。口だけでなく、本当に何でもできる子で、料理だけでなく洗濯掃除、収納技術もすごかった。また裁縫で、洋服を作ってくれた。俺は咲玲の至れり尽くせりの対応に、心配になった。「咲玲、不満はないのか」俺はある日そう咲玲に問うた。咲玲は「不満などありませんわ。毎日が楽しいです。あなたと家族になれてよかった」と言った。俺は嬉しくて咲玲を抱きしめた。その夜、俺たちは二人で眠った。
 それから約2年。俺たち2人の間には双子の男の子が誕生した。名前は「咲夜(さくや
)」と「陸海(むつみ)」2人の名をとって咲玲がつけた。咲夜は咲玲に似ていて可愛らしくて大人しい。だが、陸海のほうは俺に似ているのか何をするにも豪快ここに極まれりな感じだ。この子たちが成長するとどうなるか見ものだと思いながら、俺は毎日仕事に出かける。この3人を食わせるしかないからな。こうして俺たち4人の生活はスタートした。
 それから約15年の月日が流れた。俺たちの間には咲夜、陸海の他に鈴音(すずね)と玲華(れいか)という女の子の双子もできた
。上の陸海と咲夜は今年17歳になる。鈴音と玲華は10歳になる。4人ともまだまだ可愛い盛りだ。俺は今一層仕事を頑張っている
。だから、みんなも協力してくれている。優しいんだ。小さいころ豪快だった陸海は今、しっかり者の兄貴肌。日曜大工を勝手でくれるようになった。咲夜は優秀で可愛いのは変わらず、今も俺と風呂に入ってくれる優しさを持っている。料理をよくしてくれるんだ。そして、鈴音たちは今、勉強に集中気味で他は無理だそうだ。だが、玲華は学校の作文で俺と結婚するって書いたらしい。可愛いよな~。これが数年後どうなるんだかってところだ。ま、それは今のところどうでもいいか。ただね、俺の頑張りに最近咲玲が心配しすぎるんだ。心配してくれるのは嬉しいけれど俺はそんなやわな男じゃない。だから大丈夫だって言ってんだけどなぁ。いまいちわかってくれないのよ。それが今の俺の悩みだ。だが悩んでても仕方がない。時が解決してくれるよな。ほら、そんなこんなしてたら帰ってきたよ。
 「「ただいま。」」「お帰り。学校はどうだったよ」と俺が返事すると、咲夜が嬉しそうに走ってリビングへ入ってきた。「父さん‼おかえり」と抱きついてきた。「おぉ。元気だな
」俺の返事に「うん。」と頷いてニコニコしている。それに続いて「お帰り。親父」と陸海が入ってきた。俺は、陸海にアルバイトしないかと持ち掛けた。船頭で生計を立てている俺は社長から「良いの居ないか」と言われていた。「紹介してくれたら少し給与上げるから。」と俺はそれを陸海に話した。この国では16歳からアルバイトOKだからだ。陸海は話を聞いて「いいよ」と言った。そして、次の日から俺たちは一緒に仕事をし始めた。社長は約束通り賃金を上げてくれた。
 ある日の夜。咲玲が俺の部屋に入ってきた
。「ちょっといいかな。」「うん」そして一呼吸おいて咲玲が話し始めた。
 「実はね…。また赤ちゃんができちゃったみたい。もう4週間目立って。」「え?えぇぇ‼」俺は驚きと喜びに咲玲を抱え上げた。「おめでとう。咲玲‼俺は凄くついているんだな。ありがとう。咲玲。」と叫んだ。俺の叫び声に陸海、咲夜、鈴音、玲華の4人が起きてきた。「どうしたんだよ、親父。大声出したりして」俺は起こして悪いと謝り。事情を説明した。すると夜中なのだが、みんな喜び、やったーやったーと大騒ぎした。俺たち家族の夜はこうして更けていった。
                END

小説(1)~郁斗さんはオレのもの~ ジャンル:BL

郁斗さんはオレのもの
―双子の子供ができちゃった!僕ってこれからどうなるのー    P.N.  青空 柚樹

注 意

この物語はフィクションです。
実在する組織や人物とは一切関係ございませんので、予めご了承ください。

 

目 次


 プロローグ 郁斗の日常。

 第1話 オレ達郁斗さんの子供です‼

 第2話 やめて!普通に起こして。

 第3話 郁斗さんはオレのもの‼

 第4話 大好きです!郁斗さん。

 第5話 夏休みは皆で海水浴‼

 番外編 バレンタインは手作りチョコで?

 エピローグ これからも幸せ。

 

プロローグ 郁斗の日常。

僕は花﨑郁斗。今年27歳になったばかりのサラリーマンです。大手商社で営業をしています。僕の所属する営業部では、若手のホープなんて云われて持て囃されています。それに甘えず僕も、日々精進しています。最近ハマっているのが料理で、料理教室に通っています。若い人からご年配の方まで幅広い方が通っています。男は僕と高校生2人で、まかりなりにも僕は料理上手になれませんでした。一方の高校生2人組は次第に料理上手へと変化していきました。僕は、日々の仕事に追われながらも着実に料理のレパートリーを増やしました。が、教室が改修工事とかで移転するらしく、やむなくやめることにしました。ある日、仕事相手のお得意様が行きつけのバーでたまたま紹介されたきれいな28歳のお姉さんに事細かに事情を話し、そしてそのまま酔いつぶれてしまったのです。その次の日僕は仕事が休みだったので家にいました
。すると、ピンポーンとドアチャイムが鳴りました。僕がハイと出ると、そこにはあのお姉さんがいました。理由を聞くとあの日以来僕たちは付き合っていたらしく、連絡をくれない僕にしびれを切らして会いに来たとのことでした。僕は彼女を中に入れお茶を出し、話をしました。そして終電も間近になったので駅まで送り届けました。その後は、何度か連絡を取り合いデートもしたりしました。一週間後彼女が今の仕事を辞めて海外でバーを経営するとかで転勤していきました。仕方なく僕は別れたのですが、はっきり言って自然消滅みたいな形ですよね。というわけで、今は淋しい独身生活真っ只中です。僕に春は来ないのかと毎晩星に祈っている最中です。
 皆さんここまではよろしいですか?ここまでが序章です。これから始まる奇想天外、摩訶不思議な生活のあらすじです。

 

第1話 オレ達郁斗さんの子供です‼

7月8日今日は僕の誕生日です。が、彼女もいなく、1人淋しくケーキを頬張っています。勿論コンビニの安いショートケーキですけれど。料理も作る気が起きなくて、出来合いのもので済ませてしまっている今日この頃ですが、料理作りに飽きたというわけではありません。時間があればやっています。そう
、時間があればね。そんな中、この間のようにピンポーンとドアチャイムが鳴って女の声で「いく?」って呼ばれました。海外に行ったはずの彼女です。僕の誕生日に帰ってきてくれるなんてと僕は勢いよくドアを開けました。すると彼女は僕にこう言いました。
「誕生日おめでとう。これにサインして。この子たち預かって。」僕はありがとうと言って紙にサインしました。すると彼女はそれを受け取って、「明日出しとくね。じゃあね」と言って帰っていきました。残されたのは唖然としている僕と、イケメン2人だけ。僕は訳が分からず、事情を聞こうとすると一人が口を開きました。
 「オレは、諏訪蒼汰。こっちが双子の弟、啓太。オレ達今日から郁斗さんの子供です。改めて、よろしくお願いします。」って。僕は再度「?」ってなって事情を聞こうとすると今度は啓太の方が口を開きました。
 「取り消すなら今のうちだよ。あれは、オレ達の母親だから。で、さっき郁斗さんがサインした紙は婚姻届け。結婚するんだよ。明日にはさ。だから、取り消すなら今のうちだよ。」僕はその言葉に嬉しさと複雑さを覚えました。が、僕はこの子たちの父親になると決めました。次の日から、僕たち3人の同居生活が始まりました。問題点など特になく、楽しい生活の始まりに思えたのですが、ここからが本当の試練の始まりだったのです。

 

第2話 やめて!普通に起こして。

家のことは早く帰ってくる2人にお任せすることにしました。料理当番は蒼汰でその他洗濯掃除などの家事は啓太が担当しています
。料理当番の蒼汰は買い物から家計管理、献立まで全て1人で行っています。なんと、蒼汰たちは料理教室で一緒だった高校生たちだったのです。おかげで僕は仕事に集中できています。啓太たちが来てから、僕は1人で淋しく過ごすことはありません。むしろ楽しいです。啓太が毎朝起こしてくれます。とてもいい子たちだなと思います。が、最近困ったことがあります。1週間ぐらい前のことでしょうか。僕は毎晩お風呂場で…その…するのですが…。「ナニを」って、あれですよ。マスターベーションですよ。ですけれども、その日は疲れていたのでざっとシャワーを浴びてそのまま寝たら案の定朝に勃起。それを起こしに来た啓太に見つかってしまい、彼の手でイかされてしまいました。それからというもの、彼は起こしに来た時に必ず僕の体を弄くりまわすようになりました。何度も僕は注意してるんです。普通に起こしてほしいって。でもダメなんです。いうことを聞いてくれないんです。僕が本当の父親でないからなんでしょうかね。わかりません。毎日のように弄くりまわされて僕の体は最近変な方向に行こうとしています。どうしてくれるんでしょう
。責任とってくれるんですかね。ってあの子たちに言ったら、即答でこう帰ってきました

「責任なんかとるにきまってるじゃん。むしろこっちからお願いするし。」と。僕は心の中でどうしたらいいんだろうと悩み、脳をぐるぐると回転させていましたが解決策は一向に見つからないまま夜は更けていったのでした。

第3話 郁斗さんはオレのもの‼

啓太と蒼汰に責任云々の話をしてから1週間がたちました。啓太はどうやら蒼汰には内緒にしていたらしく2人はあの日から事あるごとに喧嘩しています。昨日もこんな喧嘩をしていました。
「郁斗さんはオレのものだ。」と蒼汰が言って、そののち「いや。郁斗さんはオレのものだから。」と啓太が言いました。というのを30回くらい繰り返してました。今日に限っては、啓太に蒼汰が「抜け駆け禁止だから。」と言って「部活の交流会に行く」と出かけて行きました。2人の喧嘩に嫌気もさしているので、今日は啓太に「蒼汰と仲良くできないなら触んな」と言ったばかりです。これに懲りてくれればいいんですけれどね。そうこうしているうちに蒼汰が帰ってきました。「抜け駆けしてないだろうな」の蒼汰の声に啓太はこれまた意地悪く「さあ」で答えたものだから、さあ大変です。僕は両腕を引っ張られるわ、喧嘩の怒鳴りあいは続くしで、僕は嫌になり2人の腕を振り払って
「僕の気持ちも考えてよ。喧嘩している2人なんか嫌いだ」と言ってしまいました。2人は僕の声で目が覚めたのか、「郁斗さんが良いっていうまでオレ達は何もしないよ。」と誓ってくれた。「本当?」と見上げた僕の頬っぺたに軽く口づけをしてその日は幕を閉じた。その日から啓太は普通に起こしてくれるようになったが、物足りなさを感じる今日この頃です。こんな感情を持ってはいけないのに2人を好きになってる気がします。あれから、あの誓いから今日で5日目という日です
。蒼汰が僕の唇を突然奪いました。なんでそうなったかというと……事の発端は啓太の抜け駆けお触りが見つかってしまったからです
。早く上がれたので自室で僕が1人でマスターベーションをしていると、啓太が入ってきて「手伝う」と言い始めました。僕にはとめる力などなく成り行きに身を任せているときに見つかって唇を奪われました。まぁ、仕方ないっちゃ仕方ないんですが、あまりにも手馴れすぎているのと何もしないって言っていたのにキスされて、しかもそれを嬉しいと思っている自分に腹が立って泣いちゃいました。すると蒼汰は「ごめん」と謝って出て行っちゃいました。僕はどうしたらよかったんでしょう。

第4話 大好きです!郁斗さん。

ある夜、家に帰ると2人は神妙な面持ちで僕を待っていた。僕は2人からこう言われました。
「「蒼汰か啓太どちらが好きか選んで欲しい
。もしも選んでくれないんだったら、これ以上郁斗さんとは暮らせない。出ていきます。」」この言葉に僕は選ばなきゃと本能で思ったが選べませんでした。僕は2人に正直に言いました。
 「えらべないよ。1人だけなんて選べない
。だって僕は2人とも大好きだもん。」その言葉に蒼汰が「選べないなら、二人で愛そう。」と言って、啓太が「賛成」と同意しました。そこからはなし崩しにベッドインしてどちらからともなく僕の体をまさぐり、服を脱がしていきました。
 「郁斗さんのすごいね。吸い付いてくるよ
。僕の指に。中うねってて気持ちよさそう。早く入りたいな」という蒼汰に続けて啓太は
 「郁斗さんは乳首も感じるんだね。可愛い声もっと聞かせて。」と言ってきます。僕は2人に向けてこう言いました。
 「僕…は…お…とこ…だ……から…可愛くなん…かない…よ。」と切れ切れに、ハァハァしながら言いました。すると2人そろって「「可愛いよ」」と言ってきました。僕はそのまま快楽に身を任せることにしました。次の日は案の定腰が痛くて立てなくて会社を休む羽目になりましたが、蒼汰たちが喧嘩しなくなったので良かったと思います。あと、蒼汰たちに言わないといけないのは、「一晩は一回に回数を減らして欲しい」くらいですかね。言わないと永遠とヤられますからね。SEXは1日一回までにしましょう。「うん。そうしよう。」と新たに心に決めた僕なのでした。

 

第5話 夏休みは皆で海水浴‼

僕の仕事もだいぶ落ち着き始め、今度連休が取れることがあらまし決定してきました。8月も末ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?さて、この度の連休は蒼汰、啓太を連れて海水浴に行く予定です。職場近くの海水浴場で、同僚も来るって聞いたので来てみたんですけど…。なんていうか人多すぎませんか?ってみんなに聞きたくなるほどの人の多さです。さて、水着に着替えて海―って思ってたら、蒼汰と啓太が「郁斗さんは荷物番ね。」って笑顔で言ってきました。「荷物番ってどういうこと?僕は入っちゃいけないの?」その疑問はすぐに納得する形に収まりました。僕が上に羽織っているパーカーを脱ぐと周りの男の人がこっちを振り向きます。色が白くて、ピンクの乳首ってそそるらしいです。蒼汰に言われて気が付きました。僕は仕方がないので荷物番をしていました。すると同僚の「野坂」って男が声をかけてきました

 「花﨑!来てたのか。なんで海はいらないんだ?」と。まぁ、海水浴場に来て海に入らないって普通はありませんよね。と考えていると蒼汰と啓太がやってきてこう言いました

 「「郁斗さん。その人だれ?」」僕はこう答えました。
 「会社の同僚の野崎賢介さん」と。僕の返答に蒼汰が野崎にこう言った。
 「初めまして。花﨑蒼汰です。こっちは双子の弟の啓太。父がいつもお世話になってます。」と。僕は「あちゃーばらしちゃったよ。」と思いながらも、いい子だからいいかと思っていた。野崎はそのまま、「またな」と特に突っ込みもせず、去っていった。連休明けに突っ込まれるぞと覚悟しながら、この度の夏休みは終わった。

 

番外編 バレンタインは手作りチョコで?

【蒼汰目線】
 この日は朝から雨だった。
 「天気わりーな。最悪。傘一つしかないやつ啓太に取られるしよ。」とぶつくさ文句垂れて駅まで走っていると、公園に男が一人立っていた。あの人あんなところで何やってんだ?濡れるぜ…ってすでにびちょびちょだけどな。この時オレは16で高1おふくろもバーの仕事で忙しいから家事はオレと双子の弟、啓太でやっていた。でも、滅茶苦茶だったけどな。困っている人はほっとけない質のオレはすぐさまその人に声をかけた

 「あのーダイジョブっすか?ずぶ濡れっすけど…。」振り返ったその人見てびっくり。女かと思うほどきれいな男の人だった。
 「大丈夫です。ここ行ってみようかと…。走ってて見つけたものですから」と丁寧にお辞儀し速足でかけて行った。それがオレの料理教室に通うことになったいきさつである。そして、料理教室であの人と再会し名前が花﨑郁斗さんと分かったオレはモーレツにアピールをつづけた。何とか覚えてほしくって。そして、2月14日バレンタインにオレは手作りのチョコを送った。料理教室を見つけてくれたありがとうの意を込めて。

【啓太目線】
 その日は朝から晴天で蒸し暑くなると天気予報も言っていた。オレはいつも通る裏通りの道を歩いていた。そこにスーツのサラリーマンがしゃがみこんでいた。オレの名前は茅崎啓太、歳は16高1だ。そんなオレは困っている人を見過ごせない質なもんでそのリーマンに声をかけた。
 「どうかしましたか?何かお困りごとでも?」そう声をかけたオレは振り向いたその人に驚いた。そこら辺の女よりきれいな顔をした人だったからだ。
 「え?あぁ、この子捨て犬なんです。誰か貰い手ができるまでここに通って僕がお世話をしてあげているんです。」不覚にもキュンとしてしまった。オレはその人にこう提案した
。「オレが預かります。貰い手を探します。」と……。そして、あの子はシロと名付け隣のうちの幼馴染にあげた。というか、見つかってほしいと言われたが正解。そして、オレはその人にお礼の意味をこめて、2月14日のバレンタインに手作りチョコを送った。


 まさか、1年後その人と同居?同棲?することになろうとはこの時の2人はまだ知る由もなかったのである

 

エピローグ これからも幸せ。

ある日の休日。夕方に2人から突然話があると改まって言われました。僕は恐る恐る話を聞くことにしました。別れてほしいと言われたらどうしようとか。そもそも付き合ってないんだけどとか言われたら…なんて考えていた罰が当たったのか、蒼汰がこういった。
 「母さんと別れてほしい。というか、婚姻届け出してないけどね。オレらを子供と思わないで。オレ達と結婚してください。」と綺麗なリングも机の上に出された。僕は「はい」と返事をして指輪をはめた。ポロポロと涙がこぼれて「えへへ。嬉しい」と言った僕を2人が両腕で抱きしめた。
 「婚姻届けはもともと出してないよ。だって、オレ達が郁斗さんと結婚したかったからね。でも無理でしょ。最初は親でもいいかと思ったけれど、物足りなくなっちゃったんだよね。これからもよろしくね。郁斗さん。」この双子の兄弟何とかなりませんかって言ったところでどうにもならないのは百も承知です。でも、言いたくなるのはなんででしょう。ま、これからも末永く幸せってことで。

                END

短編小説 パラレルワールド~夢世界~(1)

目が覚めたらそこは森の中だった。木が鬱葱と生い茂っているそこは宛らワンダーランドのようにも思えた。僕は体を起こし辺りを見回した。周囲には木しかなく、僕はゆっくり立って歩を進めた。森の端まで来ると眼下には街が見えその先に港があった。港の先には広大な海も見えとても綺麗な所だと思った。僕はその景色を目の前にしてゆっくりと大きく深呼吸をした。街に降りてみようと僕は辺りを見回し森の中腹ぐらいのところにあった細道を下った。街は森とは打って変わってとても華やかで賑やかであった。見るものすべてが珍しく、僕はきょろきょろとあたりを見物しながら歩いて行った。多くの店が所狭しと軒を連ね、一軒一軒がこれまた所狭しとものを陳列し、店主や女将さんがものを勧める。どれも、どの光景も僕の国では見たことのないものだった。初めて見るものであふれかえっているこの街は僕にとって御伽噺の中にでも迷い込んだかのような感覚だった。街の人が着ているものも今の僕の国では見ない服装だった。僕の国では今は皆洋服を着用している。が、ここの人たちは和服だ。甚平や袴の人もいるが大体が和装で統一されている。だが、街のつくりは洋風で綺麗なレンガ造りの家などもある。少しちぐはぐな感じに気を取られていると一軒の店が見えた。そこは洋食喫茶「シャノワール」と書かれた看板のお店だった。お腹の空いていた僕はそのお店に入った。     つづく

私は裕子です。以後お見知りおきを。

私がこれから書いてみたいと思うことは「短編小説」です。今日一日や昨日のこと、日常のことを小説にしたり、完全フィクションで書いたりしたものを投稿していきたいと思います。読んでみようかな。面白そうと思った方のみ読んでいただけるといいと思います。

最後に、毎日とはいきませんが頻繁に投稿していきますので、どうぞ( `・∀・´)ノヨロシク